2023.09.16
滋賀県彦根市にあるオーダースーツ専門店ビスポークテーラー ネオモーダです。
ネオモーダでは、紳士服のオーダーメイドだけでなく、オーダー靴、オーダーシューズの販売も行っており、イタリアの伝統工法であるマッケイ製法で作り上げる紳士靴のオーダーを承っておりますが、英国調のグッドイヤーウェルト製法のオーダー靴のご注文も承ることができます。
このグッドイヤーウェルト製法とはどのようなものなのかを今回はご説明したいと思います。
グッドイヤーウェルト製法(Goodyear welt construction)は、靴の製造方法の一種であり、高品質で耐久性のある靴を作るための伝統的かつ熟練した技術です。この製法は、靴の底とアッパーを接着するのではなく、縫製によって連結する特徴的なプロセスを持っています。以下では、その構造、利点、製造プロセス、歴史的背景について詳しく説明します。
1. グッドイヤーウェルト製法の構造と特徴
グッドイヤーウェルト製法の最も特徴的な部分は、靴のアッパー(靴の外側部分)と靴底(ソール)の間に、ウェルト(Welt)と呼ばれる帯を用いて縫製を施す点です。このウェルトが、アッパーとソールをしっかりと繋ぐ役割を果たします。この縫製には特別な糸が用いられ、手縫いまたは機械縫いが行われます。
この構造の利点はいくつかあります。まず、アッパーとソールが縫製で繋がれているため、接着よりも強力な耐久性が得られます。また、修理やソールの交換が可能であり、靴の寿命を長くすることができます。さらに、フレキシビリティや快適さも兼ね備えています。
2. グッドイヤーウェルト製法の利点
耐久性と修理可能性: ウェルトによる縫製は非常に強固であり、靴の耐久性が向上します。また、ソールの交換や修理が比較的容易で、長期間にわたり使用することが可能です。
防水性: 縫製によってアッパーとソールが繋がるため、縫い目がアッパー内部に達することがなく、防水性が向上します。
快適さ: ウェルト製法はアーチサポートを提供し、フットベッドがしっかりとしたサポートを得られるため、快適な履き心地が得られます。
3. グッドイヤーウェルト製法の製造プロセス
パターン作成: 最初に、靴のパターンを作成します。このパターンは靴のデザインやサイズに基づいて作成されます。
カットと裁断: 靴のアッパーになる部分を選ばれた素材(通常は革)からカットして裁断します。ソールにも同様に素材を選び、裁断します。
ラストへの成形: 靴の形を作るために、ラストと呼ばれる木製のフットフォームにアッパーを成形します。
アッパーの縫製: アッパーのパーツを縫い合わせて、靴の形をつくります。
ウェルトの縫製: アッパーとソールを縫い合わせるためのウェルトを、アッパーの周囲に縫い付けます。
ソールの取り付け: ソールをウェルトに縫い付け、靴底を作ります。
仕上げと磨き: 最後に、靴を仕上げて磨き上げ、美しい仕上がりとなるようにします。
4. グッドイヤーウェルト製法の歴史的背景
グッドイヤーウェルト製法は、1869年にアメリカのチャールズ・ゴードン・グッドイヤー・ジュニアによって特許が取得されました。彼は靴の製造方法を改良し、この縫製方法を開発したことで知られています。この革新的な製法は、当時としては革新的であり、その後も進化を続け、現代でも非常に重要な製法として位置づけられています。
総括すると、グッドイヤーウェルト製法は、品質、耐久性、快適さ、修理可能性といった点で非常に優れた靴製造方法であり、多くの靴愛好者や専門家に高く評価されています。
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